第31章 日常16:僕の彼氏を紹介します
だって相葉さん“なんか”(←相葉さんの扱いって…)に話したら、絶対面白おかしく松本さんにも言うだろうしね?
だから、初めて僕達が結ばれた夜、抜かずの三回の後、お風呂で一回して、朝起きてからまた抜かずの二回して、結果僕の腰が完全に立たなくなったってことは、僕達だけの秘密にしとくの♪
「まあ…、何か良く分かんないけど、二人が決めたことなんだし、私達が口を挟むことでもないわね」
再び相葉さんのお口を塞ぎ、和がクスリと笑って肩を竦めた。
「あ、でも一つだけ聞いても良い?」
「なぁに…?」
「結局、どっちがどっちだったわけ?」
ん?
“どっちがどっち”とは…?
「だーからさ、智前に言ってたじゃない? “櫻井くんは童貞だから、僕が…”って…」
あ…、僕もすっかり忘れてたけど、確かそんなこと言ってたような気が…
「で? どうだったの?」
「そ、それ…は…、その…、ねぇ?」
若干戸惑いながら、隣の翔くんを見ると、ただでさえ大きな目を更に大きくしてて…
「それは…つまり、智くんが俺のことを…って可能性もあった、ってこと…?」
こめかみをヒクヒクさせて言うもんだから、僕は黙って頷くしかなくて…(笑)
「つか、俺、童貞じゃねぇし…」
「え、そうなの? だって智の話だと…」
「それは…、男は初めてって意味で童貞って言っただけで、一応経験はあるし…」
「なんだ、そうだったの? 私はてっきり智がタチ役したのかと思って、ちょっと気になってたのよね(笑)」
うん、僕も最初はそのつもりだった。
でも、いざその場面になったら、やっぱり僕は受け入れることしか出来ないんだ、って自分で悟ったんだ。
翔くんに“抱かれたい”とは思っても、翔くんを“抱きたい”とは全く思わなかったもん。
それに、あの時の翔くん、すっごく雄の匂いプンプンさせてたし…
だからそんな気にもならなかったのかもだけどね?