第30章 日常15:こんなの初めて♡
リビングのドアを開けると、点けてあった筈の照明が消されていて…
「しょぉ…くん…?」
名前を呼ぶと、ベッドサイドで小さな明かりが灯った。
「ランタンの明かりて、けっこうムードあるんだね…」
「うん。ここに越して来る時にね、色々家具とか見てたんだけど、可愛いなって…思って、つい衝動買いしちゃったの…」
本当は、火を灯す物が欲しかったんだけど、火事でも起こしたら大変だと思って、LEDタイプの物にしたんだけど…
「そっか…」
何だろう…、ランタンの小さな明かりだけだから…なのかな、翔くんがいつもと違って見える。
凄く男らしいってゆーか…、良い意味でゾクゾクする。
「ねぇ、見せて?」
「え…?」
「智くんの身体…、見せて…?」
「う…ん…」
僕はベッドの端に座った翔くんの前に立つと、胸に巻いたバスタオルをゆっくりと捲った。
パサリ…、と小さな音を立てて、バスタオルが床に落ちる。
裸になることなんて慣れてるつもりだったのに、翔くんが見てると思ったら凄く恥ずかしくて、つい両手で胸とお股を隠してしまう。
でも翔くんはそれを許してはくれなくて…
「隠さないでちゃんと見せて?」
しっかり欲望の色を宿した目で僕を見上げた。
僕がその目に逆らえないこと知ってるくせに…
翔くんの意地悪…
僕は胸とお股を隠していた手をどけると、僕の身体を舐めるように見る翔くんの視線から逃れるように、顔を背けた。
でも、
「すっげぇ綺麗…」
言われて咄嗟に視線を翔くんに戻した瞬間、
「え…?」
僕の視界はグルンと一回転をして…
気付いた時には、僕はもうベッドの中で、翔くんが覆い被さっていた。
「翔…くん…?」
名前を呼ぶと、優しく微笑んだ翔くんの指がシッと僕の唇を塞いで、それから…
「大事にするから…」って、僕の額にそっとキスをしてくれて、それから頬にもしてくれて、それから…