第30章 日常15:こんなの初めて♡
お気に入りの匂いのシャンプーとボディソープで全身を洗い、ついでにHIMEのお仕事を辞めてから、ずっと放置してたムダ毛の処理も済ませた僕は、最後に蕾ちゃんのお手入れをするべく、後ろに手を回した。
お仕事柄必要なことだったから慣れてはいるけど、やっぱり自分でするのは、何度回数を重ねても抵抗がある。
でもさ、せっかくの翔くんとの“初めて♡”だから、全部ピカピカにしておきたいんだもん。
ふふ、僕ってばこう見えて案外乙女なの♪
ただ、お股のツンツンだけがどうしても気になって…
剃刀を手にしてはみたけど、どうにも勇気…ってゆーか、ちょっと怖くて…
だってもし失敗して、息子くんまでチョキン…なんてことになったら困るじゃん?(←んなわけあるか!)
それこそ事件じゃん?(←だから、ならないって!)
だから、ツンツンなのは恥ずかしいし、チクチクしちゃうのは申し訳ないけど、このままにしておくことにした。(←そうしろ!)
ツルテカにしちゃったら、また綺麗に生え揃うまで時間かかるしね?
僕は念の為と、バスタブにお湯を張った状態で、バスルームから出た。
バスタオルで身体を拭き、パンツを穿きかけたところで一瞬考える。
すぐ脱ぐ予定なのに、パンツ穿く必要…ある?
服だってそうだよね、どうせ脱いじゃうのに、着たって意味なくない?
あ、でも脱がされるのも醍醐味の一つではあるか…
「うーん…、どうしよう…」
でも…やっぱり…
散々悩んだ結果僕が出した答えは、パンツも服も必要なくて、女の子がするみたく、バスタオルを巻き付けて行くことだった。
本当はね、長い髪のウイッグでも被れば可愛くなるんだろうけど、それじゃ本当の“僕”じゃないしね?
僕だけを見て欲しいし、僕だけを愛して欲しいから、ちょっぴりヘンテコな格好ではあるけど、これで良いよね?
僕は鏡に写った自分に言い聞かせると、口から飛び出そうになるくらいドキドキしている胸を押さえ、脱衣所を後にした。