第29章 日常14:はじめの一歩
「あーん、もう汗べっちょりで気持ち悪い。早く入ろ?」
僕はスポーンと勢い良く着ていた物を脱いで洗濯機に突っ込むと、まだTシャツすら脱いでいない翔くんを急かした。
でも翔くんたら、全然急ぐ様子もなく、
「先入ってて? 俺もすぐ入るから…」って、僕の手をやんわり振り解いてしまった。
え、なんで…?
あ、もしかしてあんまり僕が躊躇いもなく服を脱いでしまったから?
でも仕方ないじゃん、汗で気持ち悪かったんだもん。
だとしたら僕、ちょっとショックなんだけど…
あ、でもちょっと待って?
もしかして…
「ねぇ、翔くん? そんなに僕に白いブリーフ姿見られるの、嫌?」
「ち、ち、違うし…、そんなんじゃねぇし…」
慌てて否定してるけどさ、そうだよ、翔くん白いブリーフ穿いてるの、恥ずかしいって言って、全然見せてくれなかったもんね?
ふーん、そーゆーことかぁ(笑)
翔くんたら、可愛いんだ♡
「ふふ、分かったよ、僕先入ってるから、翔くんもすぐ来てね?」
じゃないと僕、すぐ逆上せちゃうんだからね?
「う、うん、すぐ行くから…」
僕は翔くんがTシャツの裾に手をかけたのを確認してから、浴室へのドアを開けた。
いつものようにボディソープを使って、頭のてっぺんから足の先まで、全身にモコモコの泡を纏わせた。
すると、キッと音がして、曇った鏡にボンヤリとだけど、裸になった翔くんのシルエットが浮かんだ。
そして、
「背中、洗ってあげるよ」
僕の手からゴシゴシタオルを奪って行くと、僕の背中をゴシゴシって♡
もぉさ、そんなことされたことないから、ドキドキしちゃって(笑)
今にもムクムクしそうな息子くんに、大人しくするように言い聞かせるのが大変で…
だってずっと触ってなかったし、昨日とかも結局不発のまま終わっちゃったし…、きっと相当溜まってる筈だもん。
だからかな…、いつもは擽ったい筈の脇とか…、妙に感じちゃって…