第28章 日常13:夢なら醒めないで…
ボデイーソープをたっぷり染み込ませたゴシゴシタオルで、全身の汚れを落として行き、ついでに髪も同じボデイーソープを使って洗った。
だってさ、シャンプーは一応あるけど、父ちゃんが愛用してるシャンプーは、男臭いを通り越しておっさん臭いから、僕的には好きじゃないんだもん。
かと言って母ちゃんは、ン千円するからって貸してくんないしで、結局辿り着いたのがボデイーソープだった、ってわけ。
ま、全身用って書いてあるから、問題ないしね♪
僕は全身の泡をシャワーで流すと、シャワーを止めるべくのコックを捻った…んだけど…
ちょっと待って?
翔くんは“また今度”って言ってたけど、さっきの母ちゃんとのやり取りだと、お泊まりしてくっぽいし…
もし一緒に…、なんてことになったら、何が起こるか分かんないよね?
翔くん前科(和ん家でのことね)あるし…、やっぱり念には念を入れておいた方が良くない?
僕はボデイーソープを、今度は手のひらに垂らすと、両手で揉んでしっかり泡立ててから、モコモコの泡を息子くんに纏わせた。
いつ翔くんに見られても良いように、綺麗にしておかなきゃね。
あ、蕾ちゃんも綺麗にしといた方が良い?
翔くんの息子くんを“いらっしゃいませ”することは、おそらく無いとは思うけど、お触りくらいはあるかもだし…
って…僕、期待し過ぎ?
でも仕方ないじゃん?
漸くお互いの想いが通じ合ったんだもん、いくら“また今度”って言われたとしても、ちょっとくらいは…って期待しずにはいられないじゃん?
それにさ、HIMEとしてAVに出てた頃は、最低でも月に二回…いや、三回かな…はセックスしてたのに、引退した途端何にも…、本当になーんにもなくなっちゃって…
性欲…ってゆーの?
そんなんも全然無くて…、でも今日翔くんにキスされたらさ、ムクムクって…さ、なって…
僕思ったんだ。
性欲がなくなったわけじゃなくて、休憩してただけなんだって…。
そしたらちょっぴりホッとしちゃったんだけどね(笑)