第28章 日常13:夢なら醒めないで…
あ…れ…? もしかして僕、何か勘違いしてた?
…って気付いたのは、横になったままの翔くんに腕を引かれ、勢胃良くベッドに引き込まれてからのことだった。
「しょ…、んんっ…」
声を上げる間もなく唇わ塞がれ、それだけでも十分ビックリなのに、舌まで挿れられて…
しかも…、めっちゃ上手い!
キスだけで息子くんがウズウズ始めちゃうくらい、凄く気持ち良くて…
さっきのあの事故みたいなキスをしたのは、本当に翔くんなのかって疑いたくなる。
おかげで息をすることも忘れてて…
「ん、んんっ…、ん…」
息苦しくなって翔くんの胸をトンと叩くと、僕のお口からゆっくり翔くんの舌が抜け出て行った。
そして溢れた唾液で濡れた僕の口元を指で拭ってくれて…
「ごめん…、イキナリ過ぎた…かな…?」
ちょっぴり照れくさそうに頭を掻いた。
「う、うん…、ちょっとだけ…」
でも気持ち良かった…
「あのさ、俺…、智くんがもし望むのであれば、ソッチも考えるっつーか…、受け入れる覚悟はあるけどさ、そうじゃないんでしょ?」
ソッチ…とはつまり、“僕が抱く”ってこと…だよね?
それなら僕の答えは決まってる。
「僕は…、翔くんがもし僕を受け入れてくれるなら、いっぱい優しくして欲しいし、甘やかして欲しいし、、それから…」
いっぱい愛して欲しい。
「でしょ? 俺だって同じだよ?」
え…?
「俺は、智くんを思いっきり甘やかしたいし、智くんがしつこいって言うくらい、可愛がって上げたいし、優しく抱いて上げたいと思ってるよ?」
「翔くん…」
「あ、でももし本気で智くんが俺のことを…って言うなら、俺はそれでも構わないよ?」
ちょっと覚悟が必要だけどね?って…、そう言って翔くんはまた照れくさそうに笑って、今度は指で頬をカリッと掻くから、僕も思わず吹き出してしまう。
ってゆーか、ちょっと安心しちゃった(笑)
だって僕…、やっぱり好きなには、抱くより抱かれたいんだもん。