第26章 日常11:さよなら…言わなきゃだめ？

スマホの画面に表示される、松本さんからのメッセージ…

それを目にした瞬間、僕達の肩が一気にガクーンと下がった…ような気がした。

だってさ、｢すまん！｣って一言だよ？

まあ、それで全て繋がったことは確かなんだけどさ、もうちょっとこう…なかったんかなって思っちゃうのは僕だけ…でもなかったみたいで…

｢ねぇ、今から来れないの？｣

和がスマホの画面を渋いお顔で見ながら、ポツリ呟く。

僕も、松本さんから直接話を聞けるなら、その方が良いけど…

あの後翔くんがどうしてたかって、凄く気になるし。

でもきっと忙しいだろうな…なんて思ってたら、

｢ねぇ、今から来るって｣

相葉さんが一際大きな声で言うから、僕もビックリしちゃって…

｢マジ…で？｣

聞き返すと、相葉さんが松本さんからのメッセージを表示したスマホの画面を僕に向けた。

ってゆーか、逆さまなんだけど…？



それから暫くして、この暑い最中、しっかりジャケットを着込んだ松本さんが、インターホンを鳴らした。

リビングに入った松本さんは、早速サングラスを外し、ジャケットを脱ぐと、タンクトップ姿になって二人がけのソファの中央に腰を下ろした。

相葉さんほどではないけど、松本さんも割と細身な方なんだけど、タンクトップの袖から伸びた腕には、決して逞しいとは言えないけど、程よく筋肉もついている。

その腕で相葉さんを…

僕はあの日のことを思い出して、一人お顔を赤くした。

だってさ、二人並んでるんだよ？

もう嫌でも思い出しちゃうよ…

｢で？ どうして櫻井くんを？｣

赤面する僕をよそに、和が切り出す。

｢頼まれたから…かな｣

｢頼まれたって、何を？｣

｢HIMEが引退するって言ったら、見学に行きたいって…。でもまさか出演する側になるとは、俺は勿論のこと、翔自身思ってなかったみたいで…｣

そりゃそうだよ。

僕だってあの場に翔くんがいるなんて、思ってもみなかったのとだもん。