第25章 scene5:チャペル
「これはね、ガーターリングって言ってね、ヨーロッパでは 花嫁に何か青いものを身に着けさせるって言うジンクスがあって…」
言われて見れば、リング状になったレースには、サテン地で作られた青いリボンが飾られている。
「サムシングブルーって言うんだけど、もともと青って純潔や清らかといった意味があるのよ。だからコレを人目に触れない場所に着けたりするのよ?」
「へぇ…、そうなんだ?」
やっぱり凄いな、斗子さんは…
僕なんて、そんなことも全然知らないんだもん。
尊敬しちゃうよ♪
「さ、左足出して?」
「うん」
言われるまま左足を、床に両膝を着いた格好になった斗子さんの膝の上に載せると、そこに通されるレースのリング。
「ふふ、可愛い♡ HIMEね、ブルーって大好きなの♪」
真っ白な下着に、真っ白なウエディングドレスも素敵だけど、好きな色を身に着けていられるだけで、ほんのちょっとだけ気分も違ったりするんだね?
なんだか不思議♪
「さ、あまり時間かけてると、また智也に怒られちゃうから、ドレス着ましょうね?」
流石恋人だけあるよね?
長瀬さんがせっかちだってこと、良く分かってる(笑)
「じゃあ、ここに足を入れてくれるかしら?」
「はぁい」
試着の時に一度経験したから、大体の手順は分かってるつもりだけど、やっぱりこんなの一人じゃとても着られないよね…
けっこう大変だもん。
「はい、ここに腕を通して?」
「はい…」
って、あれ?
この間着た時には、袖なんて無かったような…
「あのこれって…」
「ああ、お袖は付け足させて貰ったの。いくら下着で補正したとしても、HIMEちゃんお胸がちょっと寂しいから…」
ああ、なるほど!
僕がベチャパイ過ぎるから、落っこちちゃうかも…ってことね?
「デザイン変わっちゃったけど…、良かった?」
「ううん、全然!」
寧ろ、安心感あって良いかも♪