第24章 scene5:ツルテカな僕
それより…、と言ってお姉ちゃん…ってゆーよりか、どっからどう見ても和が、僕の手にしていた荷物を見て首を傾げる。
「随分大荷物だけど…」
「あ、これ? これはねぇ…」
僕は紙袋の口を開くと、中に入っていた“智”のお洋服を広げて見せた。
「あのね、今日衣装合わせがあってね、それでね、せっかく綺麗にメイクして貰ったしと思って…」
「ああ、なるほど…、それでその格好なんだ?」
和がすっかりHIMEモードになった僕を見て、納得ささたように頷くから、僕も「うん」とだけ返事を返して、もう一つの袋を和に向かって差し出した。
「これ…は?」
「あのね、ここに来る途中で翔くんにばったり会って、HIMEスイーツが好きだって言ったら、翔くんが買ってくれたの♪」
翔くんにお茶に誘われたことは、あえて黙っておくことにした。
だって和の性格上、そっちを優先させろって言うに決まってるからさ…
勿論、僕だって予定さえ合えば、和には悪いけど翔くんを優先させるけどね?
でもさ、本番までの時間を考えると、そうもいかないんだもん。
しょうがないよね?
「へぇー、良かったじゃん(笑) つか、多くない? こんな食ったら太るよ?」
「うっ… 」
気にしてることを…
「べ、別に僕一人で食べるわけでもないし、和だって食べるでしょ?」
和がダメなら相葉さんだっているし…
「そうだね、じゃあ早速だけど一つ貰おうかな」
「うん、どうぞ」
僕は大量のスイーツをテーブルに並べた。
「じゃあ…、これ…って言いたいとこだけど、こっちかな(笑)」
一度は手に取ったフルーツタルトを戻し、ホイップがポチョンと乗っかったコーヒーゼリーを手に取る和。
ふふ、流石“お姉ちゃん”だよね?
僕の好みちゃーんと分かってる♪
「お皿とかいる? あ、あと飲み物用意するね?」
「うん♪」
僕は和が席を立つのを待って、フルーツタルトの蓋を開けた。
んふ、匂いだけで幸せ♡