• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第23章 scene5:“初”エステ♡


「怖くなかった?」

本当の自分になるのは、怖くなかったんだろうか?

「そうね…、そりゃ怖かったわよ? だって身体にメスを入れるわけだし、その後のことだって色々考えると、怖くてたまらなかったわよ?」

だよね…

僕なんて注射一つするのだって、未だに誰かに着いて来て貰わないと怖くて逃げ出したくなるのに、身体にメスを入れるとなると、そんなの比べ物になんないくらい怖かっただろうな…

「でもね、恐怖や不安よりも、喜びの方が大きかったかな…」

「本当の自分になれる…から?」

「そうね。ただ、両親には申し訳ないことしたと思ってるけどね? せっかく男の子に産んでくれたのに、期待を裏切るようなことしちゃってるわけだからね?」

それは僕も同じだ。

僕が男の子が好きだって知った時の父ちゃんや母ちゃんのお顔を見た時、僕も申し訳ない気持ちになった。

すごく胸が傷んだを、今でも覚えてる。

「でも仕方ないわよね…、本当の自分を隠して生きて行くのって、辛いとか…そんな簡単な言葉じゃ片付けられないくらい、苦しいことだもの…」

何か…、斗子さんと僕とでは、一見似てるようで全然似てないんだけど、斗子さんの気持ち、僕も分かる気がする。

「HIMEちゃんはさ、今好きな人とかいるの?」

「え…?」

「だって、お仕事辞めちゃうんでしょ?」

「ま、まあ…」

驚いた…

長瀬さんと付き合ってるんだから、当然と言えば当然なのかもしれないけど、斗子さんがそんなことまで知ってたなんて…

僕、ちょっぴりビックリしちゃったよ。

「あ、別に言いにくかったら…」

「好きな人…いるよ」

すっごく好きで好きで、好き過ぎて、寝ても醒めてもずっと彼のことが頭から離れないくらい、好きな人が僕にはいる。

「でもまだ告白もしてないし、告白したとしても、上手く行くとは限らないけど、でもケジメってゆーか、付けないとと思って…」

そのケジメが、僕にとってはお仕事を辞めること…なんだけどね?
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp