第22章 日常10:僕、決めた!
「良かったね…、って言って良いのか分かんないけどさ、良かったね」
「うん…」
あ、でも…
僕がゲイであることは、時間はかかったけど認めてくれた父ちゃんだけど、さすがにゲイビに出てるって分かったら…
父ちゃんひっくり返っちゃうかもね…?(笑)
「ねぇ、翔くん?」
「ん?」
「こんな僕だけどさ、お友達でいてくれる?」
本音を言えば、もっと…
“お友達”なんて、どこにでもある関係じゃなくて、その先の関係になれたら、って思わないでもないけどね?
「当たり前だろ? …つか、俺は違うから…」
え…?
「俺はさ、ソイツとは違うから…。俺は、人の秘密とか…面白がって言いふらしたりしないから…」
翔くん…?
「俺、そういうの嫌いだから…」
うん、知ってる(笑)
そんな翔くんだから、僕は好きになったんだしね?←しつこい?(笑)
「ありがとう…」
「ば、ばーか、礼なんていらないし…。だって俺ら友達だろ?」
そうだけど…
そうなんだけど、でも言わずにいられないんだ、
“ありがとう”って…
「あ、ねぇ、この写真写メしても良い?」
「え? 別に良いけど…」
僕の中学生の頃の写真なんて写メして、どうするつもりなんだろ…
「あ、後これと…これも…」
自分のスマホに、僕の写真を次々と納めて行く翔くん…
ってゆーかさ、どうしてどれもこれも坊主頭の写真ばっかなの?
そりゃさ、坊主頭だろうがなんだろうが、僕の可愛さは変わんないけどさ…
他にももっと可愛い写真、いっぱいあるのに…、何故?
「あ、そうだ…。ちょっと良い?」
何?と振り向いた僕の肩を、スマホを手にした翔くんの腕が引き寄せる。
そして、
「どうせだから撮ろうぜ?」
そう言ってスマホのカメラを向けた。
「ほら、笑って?」
「え、う、うん…」
言われて、カメラに向かって笑ってみるけど…
ヤバい…、緊張して上手く笑えないよ…