第22章 日常10:僕、決めた!
日程は追って連絡すると言われ、事務所を後にした僕は、僕を心配してか、何度も電話やらメッセージやらを送ってくれていた和に電話をかけた。
何回かに一回は相葉さんの名前もあったけど、相葉さんのことだから、きっと和と一緒にいるだろうと思って、和に電話をしまつもり、だったんだけど…
「智? ねぇ、大丈夫だったの? 脅されたりしなかった?」
何度目かのコール音の後に聞こえて来たのは、相葉さんの声で…
「あ、あの、一応無事…です…」
とりあえず返事はしてみたものの、何とも頓痴気な答えしか返せなくて…
でも電話の向こうから、「良かった…」と、心底安心したような声が聞こえて来たから、僕も少しだけホッとする。
ってゆーか、相葉さんにまで心配かけてたかと思うと、ちょっぴり申し訳ない気持ちになる。
だって僕の問題なのに…
「あ、和に変わるね?」
「はい、お願いしま…す…」
電話の向こうで、相葉さんが和を呼ぶ声がする。
その声が、さっきよりちょっぴり明るくなっているような気がするのは、僕の気のせいなんかじゃないと思う。
それくらい僕のこと気にかけてくれてた、ってことだよね?
何だか僕、泣いちゃいそうだよ?
…って、涙なんて流してる間もなく、電話の向こうからはまるで熟年夫婦みたいな会話が聞こえて来て、僕は思わずプッと吹き出してしまう。
だってね、本当に二人の会話って面白いんだもん。
しっかりしてるようで、どっかちょつとネジが抜けてる感じの相葉さんと、とーっても可愛いお顔(僕程じゃないけど♪)してるくせに、超意地悪な和…
性格とかも全然違う二人だけど、それでちゃんとバランスが取れてんだよね?
僕、ちょっぴり二人が羨ましいよ。
僕もいつか翔くんと、二人みたいな関係になれるかな…?
なれると良いな…
ってゆーか、その前に超えなきゃなんないハードルが、いーっぱいあるんだけどね?