第22章 日常10:僕、決めた!
「で、どうなの? 見たこと無いわけじゃないでしょ?」
テーブルを拭いた紙ナプキンを纏め、和が小悪魔な雰囲気丸出しでニッコリ微笑む。
「見たことは…あるよ? でも服着てたし…」
「でも大きくなってるのは分かったのよね?」
「ま、まあ…」
あくまで“僕の目にはそう見えた”ってだけだけどね?
あ、でも初めて翔くんのお家にお泊まりした時は確か…
そうだ、あの時翔くん、HIMEのDVDをオカズに、一人でシテたっけ?
でも後ろ姿しか見てないし、実際に実物を見たわけじゃないからな…
「ふーん…、じゃあそっちの心配はなさそうね…」
そっちってどっちだよ、もぉ…
「後は、触れるか触れないかの問題ね…」
「触るって…、何を…?」
僕が首を傾げると、すっかりNINO化した和が「まあ!」と声を上げて、くくくと喉を鳴らしてと笑った。
「ねぇ、本気で言ってる?」
「うん…」
本気で分かんないから聞いてるんだけど?
「呆れた…。アレの事に決まってるじゃないの」
アレ…とは?
「だから、智のオチンチンよ…(笑)」
「オ、オ、オ、オチ…チ…ッ…」
僕は咄嗟に周りを見回した。
さっきまでいたお姉さん達はいつの間にかいなくなっていて、お隣のテーブルは空席になっている。
僕はホッと胸を撫で下ろすと、動揺した気持ちを落ち着かせようと、グラスの水を一気に飲み干した。
だってオチンチンとかさ…、普通言う?
僕、恥ずかしくなっちゃう…
なのに、
「多分、大丈夫…」
恥じらいながらも素直に答えてしまう僕♡
ふふ、僕、嘘つけない性格なの♪
「この間…、和ん家に泊まった時、翔くん触ってくれたから…」
「ちょ、ちょっと、それどういうこと?」
「え、だから…、和達の声があんまり凄くて…、それで…つい…」
「勃っちゃった…、ってこと?」
「うん…。あ、でも出してはないからね?」
…って、そこまで言う必要、なかった?