第21章 日常9:耳を塞げば…
しかもさ、壁に耳をくっつけるまでもなく聞こえる嬌声は、明らかに和の声だし、呻き声だって相葉さんの声だって分かる。
でももう一つ聞こえるんだよね、声が。
それもさ、僕も聞き覚えのある声がさ…
和と相葉さんが付き合ってることはさ、僕も知ってたことだから、別にセックスしてようが何とも思わないけど、松本さんもなの?
松本さんも“込み”での関係なの?
そんな話、僕聞いてないんだけど…?
ってゆーかこの声…、ちょっとヤバいかも。
こんなのずっと聞いてたら僕…、ってゆーか僕の下半身?が元気になっちゃうじゃん…
現に、さっきからおっきしたくてウズウズしてるし…
僕は寝返りをうつフリをして、翔くんに背中を向けた。
そしてこっそりショートパンツの中に手を突っ込んだ。
やっぱり…
案の定、僕の息子くんは、布面積超少なめなパンティの中で元気になり始めてて…
その先っぽに指の先が触れた瞬間、ビクンと身体が震えた。
ダメだよ…、これ以上はダメだ。
翔くんが隣で寝てるんだよ?
なのにこんなの…絶対ダメ!
僕は自分自身に強く暗示をかけようとする…けど、壁一枚挟んだ隣の部屋から聞こえて来る声は、どんどん激しさを増す一方で…
その声に影響されてか、僕の息子くんも僕の手の中で大きさを増して行く。
ああもお…、どうしたら良いの?
あ、そうだ…、トイレ!
トイレに行って出せばちょっとは落ち着いてくれるんじゃない?
僕は肩越しに翔くんを振り返り、しっかり寝入ってることを確認してから、ゆっくりと身体を起こした…つもりだったんだけどな…
「え、ちょ、ちょ、ちょっと…?」
突然僕の腰に巻き付いて来た腕が、僕がトイレに起きるのを引き止めた。
「耳、塞いでてやろうか?」
「え…?」
寝ているとばかり思っていた翔くんに言われ、僕は咄嗟に両手でお股を隠した。
知られたくなかったんだもん、セックスの生中継聞いて、おっきくしちゃってること、翔くんには知られたくなかったんだもん…