第20章 日常8:パーティー…とは?
味も形も違うケーキを、それぞれ好きなのを選んでお皿に乗っけて、和の分だけ特別にプレートとロウソクを立てた。
お誕生日仕様ってやつね♪
「じゃあ、定番のあの曲、皆で歌っちゃおっか♪」
相葉さんの号令で、その場にいる全員が同時に手を叩きながら、“お誕生日といえば?”な歌を揃って歌うって、最後に和がロウソクの火をフーッて消して、皆で“おめでとう!”って言って…
いつもは天邪鬼な和も、この時ばかりは超照れくさそうでさ(笑)
すっごく嬉しそうにしてるから、僕まで嬉しくなっちゃう。
でもさ…、僕にはどうしても納得いかないことがあって…
いくらジャンケンで負けたからってさ、僕のケーキだけ超シンプルな上に、皆のと比べるとちっちゃくない?
チーズケーキは好きだけどさ、僕だってフルーツがたっぷり乗っかった豪華なのが良かったよ…
僕は内心ガッカリしながらフォークで掬った一口分のチーズケーキを、パクリと頬張った。
あ、美味しい…
でもちょっぴり物足りない。
そんなことを思いながら、チーズケーキをチビチビ食べていたら、
「大野くん、良かったら俺の分も食う?」
櫻井くんが半分くらいかな…、ケーキの残ったお皿を僕に差し出して来た。
「いいの…?」
「俺、もう腹いっぱいでさ(笑)」
それは僕もだよ?
「でも大野くん、甘いモンは別腹みたいだし…」
ふふ、よく知ってるね?
「じゃあ…、遠慮なく…」
僕は櫻井くんに向かって、“あーん”と口を開けて見せた。
当然だけどさ、
「え…?」
櫻井くんは驚いたように目を丸くしてて…
でもさ、きっと僕、酔っ払ってんだよね?
皆がポカーンと口を開けて見ていることにも気付かず、”
櫻井くんに向かって口を開け続けた。
すると櫻井くんは、ちょっぴり赤くした顔を綻ばせて、
「五歳児かよ(笑)」
って笑いながら僕の口の中にイチゴをポイと突っ込んだ。
「美味しい?」
うん、すっごくおいちい♡