第20章 日常8:パーティー…とは?
「あのさ、前から思ってたんだけどさ…」
楽しみにしていたスイーツタイムも終わり、相葉さんがテーブルの上を片付け始めた時、和が思い出したように言った。
「二人共いつまで“大野くんと櫻井くん”の関係続けるつもり?」
え…?
「確かに! そろそろお互い苗字で呼び合うの卒業したら?」
そ、卒業って…相葉さん、どゆこと?
「俺もそう思うな。二人共餌付けし合う仲みたいだし、他人行儀はそろそろ終わりにしたらどうだ?」
ま、松本さんまで…
ってゆーか、餌付けって何?
「ほら、雅紀も松本さんもそう言ってることだしさ、ね?」
「えっと…、その…」
そりゃさ、いつまでも“大野くん”とかさ…、呼ばれるよりは、ちゃんと名前で“智”って呼んで欲しい気持ちはあるし、僕だって櫻井くんのこと、ちゃんと名前で呼びたいよ?
でもさ、急に言われたって心の準備が出来ないよ。
僕は横目でチラッと櫻井くんを見ると、櫻井くんも僕と同じで困ったような顔をしていて…
その顔を見てたら、僕が思ってる程、櫻井くんは僕のこと思ってないんだって思えて来ちゃって…
なんだか申し訳なくなって来た僕は、
「ぼ、僕達は友達とかじゃなくて、ただのバイト仲間ってゆーかさ…、ね、櫻井く…ん…?」
って…
あれ…?
怒って…る?
違う?
呆れてる?
でもさ、僕間違ったこと言ってないよ…ね?
「あのさ、大野くんてさ、“お友達になりましょう”って言ってから友達になるタイプなの?」
へ?
「“お友達になろう”って言ってさ、相手が“良いよ”って言ってくらなかったら、もう友達にはなれないの?」
「んと…、それは…」
「俺は、大野くんのこと、ちゃんと友達だと思ってたけど、大野くんは違ったってこと?」
え…?
「俺のこと、ただのバイト仲間としかみてなかった、ってこと?」
「う、ううん…、そんなことない…」
僕だって…
僕だって、ちゃんと櫻井くんのことお友達だと思ってるし、出来るならそれ以上の関係になりたいって思ってるもん!