第20章 日常8:パーティー…とは?
「ふぁ〜、お腹いっぱい♪」
いつもはご飯も一人で食べることが多いから、誰かと一緒に食べるご飯が美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまった僕は、ポッコリと出たお腹を摩った。
「俺も〜、腹いっぱいだよ(笑)」
僕の隣で、櫻井くんも同じようにお腹を摩って見せるけど…
僕知ってんだからね?
櫻井くん、食べるよりも飲む方に一生懸命だったじゃん?
だからポッテリとした櫻井くんのお腹は、お酒のせいなんだよ?
「二人共シャワーでも浴びて来たら? その間に部屋用意しとくからさ」
僕が瞼を擦ったのを見てか、相葉さんが空になったお皿を手に席を立つ。
「でも、お料理まだ残ってるし…」
僕的には、スイーツ好きの相葉さんが用意したバースデーケーキが気になるんだけど…
それに、お酒を飲んでからのお風呂は何かと危険だって言うじゃない?
あ、でもシャワーくらいなら大丈夫か…
どっちにしてもこのままだと、睡魔に負けてしまうのは時間の問題だし…
「うん、じゃあそうする…」
「脱いだ服、洗濯しとくから洗濯機の中入れといて?」
「え、でも…」
「いいからいいから♪」
「はい…」
僕はグラスに残っていたチューハイを飲み干すと、一つ欠伸をしてからバスルームへと向かった。
相葉さんに言われた通りに脱いだ物を洗濯機に放り込み、バスルームに入った僕は、設定温度をちょっぴり下げてから、シャワーを頭から浴びた。
すると、
「智、着替えここ置いとくからね?」
脱衣場から和の声が聞こえて、
「うん、ありがと…」
シャンプーのポンプを押しながらお礼を言う僕の背後で、バスルームのドアがいきなり開けられた。
「え、な、な、何?」
「特に用はないんだけどさ、一応忠告って言うか…、アドバイス?しとこうと思ってさ♪」
「アドバイ…ス…?」
「そ、アドバイス♪」
鏡越しに僕の身体を舐めるように見る和の目は、明らかに何かを企んでいるようにも見えて…
何だか僕…、嫌な予感しかしないんですけど?