第20章 日常8:パーティー…とは?
僕のお手伝いの甲斐もあってか、けっこうなボリュームのある料理を、和と櫻井くんの待つリビングのローテーブルに並べる。
「お、すげぇ…」
「美味そっ♪」
シャンパンこそまだ開けてないけど、空になったビールの缶は幾つかテーブルの上に並んでるのを見ると、二人共しっかり…ではないけど、ほろ酔い程度には出来上がってるっぽい。
「っていうかさ、この時間にこんな大量の飯誰が食うの?」
確かに(笑)
もう23時過ぎてるのに、この量は流石にないかも…
「私、お腹とかポコッと出るの困るんだけど…。智もそうでしょ?」
「え、僕? 僕は…まあ…、うん…」
あんまり太ると、衣装着れなくなっちゃうから、正直困るけど…
だって女の子のお洋服って、ウエストキュッてなってるんだもん。
「で、でもさ、せっかく作ったんだし、残ったら明日の朝ご飯にでもしたら良くない?」
うん、そうだよ!
僕にしては名案じゃない?…って思ったのも束の間…
「ふーん…、じゃあ今日は泊まってく、ってことで良いのね?」
ニヤリと笑った和を見て、ハッとする僕。
「べ、別にそーゆー意味じゃなくて…」
慌てて否定するけど手遅れだよね…
「お、じゃあ今日は気兼ねなく飲めるね?」
相葉さんまでしっかりその気になってるし、櫻井くんも当然…
「で、でも着替えとか無いし…」
「それなら心配いらないよ。智には私のがあるし、櫻井くんには雅紀ので良ければ貸せるしね?」
「あ、俺は気にしないんだけどさ、使用済みが嫌なら未使用のもあるからさ」
いや、だからさ…
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
って、櫻井くん乗っちゃうのね?
はあ…、仕方ないか…
ま、明日は遅番だし、お泊まりコースなら、相葉さんの言う通り気兼ねなく飲めるもんね?
せっかくのお誕生日会だし、その方が良いか…
「智は? どうするの?」
「櫻井くんがそう言うなら、僕も…」
「よし、決まり♪ さ、食おうぜ?」
何だか急に男らしくなっちゃった和が、箸で一突きした唐揚げを一口でパクリ…と頬張った。