第20章 日常8:パーティー…とは?
結局プレゼントを用意するのは諦め、そのままマンションに向かった僕達を、
「いらっしゃい♪ 今日は私のために悪かったね」
何年着てんだってくらいに襟も袖口も擦り切れたTシャツと、ヨレヨレのハーフパンツ姿の和が出迎えてくれた。
ってゆーかさ、お誕生日会ってゆーならさ、もうちょっとマシな格好すれば良いのに…
お金ないわけじゃないだろうしね?
だって、僕なんかよりも、確実にギャラは多い筈だもん。
「とりあえず適当に座ってよ、今飯用意させるからさ」
リビングに通された僕達は二人がけのソファに、そして和は一人がけのソファに、それぞれ腰を下ろした。
「何飲む? ビール? あ、それとも頂き物だけどシャンパンあるから、開けちゃう?」
「僕はお酒は…」
この間の旅館でのこともあるし、アルコールは断ろうと思ったのにな…
「いいですね、シャンパン♪ 大野くんも飲めるよね?」
お酒好きの櫻井くんが目を輝かせてしまうから、僕も頷くしか出来なくて…
でも、休む間もなくキッチンに立つ相葉さんが気になった僕は、
「僕も手伝います」
相葉さんに並んでキッチンに立った。
本当はね、和と櫻井くんを二人きりにするのは嫌なんだけどね?
だって和っては何言い出すか分かんないし、櫻井くんにしたって同じ。
和が業界関係者と親しいと知った櫻井くんが、和のコネを利用しないわけないもん。
現に、和からのお誘いも未だに悩んでるみたいだしね?
でも相葉さんにだけ忙しい思いをさせてるよは、なんとも偲びなくてさ…
「先に飲んでて良いんだよ?」
「ううん。だって僕お腹ぺこぺこだもん。僕がお手伝いしたら、その分早く食べれるでしょ?」
僕が言うと、相葉さんばネギを切っていた手を止め、
「なるぼど! 確かにそうかも♪」
両手をポンと叩いた。
ってゆーか、包丁は置こうね?
危ないじゃん?
それに僕達みたいな仕事って、怪我とかあんま出来ないしさ…
特に“指”はね。