第20章 日常8:パーティー…とは?
気まずーい雰囲気のまま、相葉さんの車の後部座席に並んで座る僕達。
僕達の間に流れてる空気は、酷く重たい。
はあ…、参ったなぁ…
何とか誤解とかないと…
でも相葉さんは全くあてにならないし…
なんたって、櫻井くんが誤解してることすら気付いてないんだもん。
僕はスっと深呼吸すると、
「あ、あのね、櫻井くん…」
思い切って櫻井くんの腕を掴んだ。
いや、本当は腕を掴む必要なんてなかったんだけど、なんとなくそうしないと僕の気持ちが伝わらないんじゃないかと思ってさ…
「もしかして怒ってる?」
「別に何も怒ってないけど?」
「嘘だよ、さっきからずっと怖い顔してるもん」
「そんなつもりないけど?」
櫻井くんは否定するけど、実際櫻井くんの目は思いっきりつり上がってるし、口元は辛うじて笑ってるようにも見えるけど、すっごく引き攣ってるように見えるもん。
櫻井くんのことずーっと見てる僕には分かるもん。
「あのね、 誤解だから…」
「何が?」
「だ、だから…、その…」
ちゃんと言わなきゃって思うのに、上手く言葉が出てこなくて、つい口篭ってしまった僕の手を、櫻井くんがゆっくり振り払う。
「あのさ、別に大野くんが誰と付き合ってようと、別に俺には関係ないんだけど、一言くらい言って欲しかったよ…」
え、何…を…?
「俺がHIMEちゃんのこと好きだって知ってたわけじゃん? だったらさ普通、その共演者が彼氏とかだったら、紹介してくれるとかさ…、してくれても良くない?」
は?
意味…分かんないんだけど?
「あ、もしかして大野くんもHIMEちゃんに会ったことあるとか?」
へ?
何…言ってんの?
「そうだよね、HIMEちゃんと共演した男優さんが彼氏なんだから、当然…」
「ちょ、ちょっと待って?」
もう無理…
僕、何だか腹が立ってきちゃった。
「あのさ、相葉さんと付き合ってんのは、和なの! 僕は誰とも付き合ってないし…」
好きな人は…いるけどね?