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H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第19章 scene4:宴会場


「何て言って告ったの?」

「聞きたい?」

「うん、すっごく!」

普通に“好きだよ”とか、“付き合って?”とかかな…なんて勝手に想像して、ちょっぴりドキドキワクワクしちゃう僕。

だって僕だったら多分そうするだろうし…

でもニノはやっぱりニノで…

「そんなに私の事が好きなら、付き合って上げても良いけど、って(笑)」

「え?」

マジ…か(笑)

ニノらしいっちゃニノらしいんだけど、もっと初々しい感じ(?)を想像していた僕は、呆気に取られるばかりで…

「え、え、それで? それでどうなったの?」

いくら自分のことを好きだと分かってる相手だったとしても、まさかの上からの告白に対して、相葉さんがどんな反応をしたのか気になる。

「くくく、そりゃ驚いてたよ? でもさ、急に泣き出しちゃってさ…」

「え…?」

あの相葉さんが…?
いつもだって明るくて、一緒にお仕事した時だって、僕が緊張してるの分かったみたいで、ずっと話しかけてくれたり…ずっと笑顔でいた印象しかないんだけど…

その相葉さんが、ニノに告白されて泣いたなんて…

「意外でしょ?」

「うん…」

だって僕が知ってる相葉さんなら、飛んで喜びそうなのに…

「あの人ね、ああ見えて涙脆いとこあんだよね…。すぐ泣くの(笑)」

多分…だけど、ニノしか知らない一面…なんだろうな。

「でもさ、ちょっと分かるっていうか…さ、その泣きたくなる気持ちってのがさ…」

それまで僕の背中を抱いていた手を解き、仰向けになったニノがちょっぴり遠い目をする。

告白した当時のこと、思い出してるんだろうか?

「私達みたいな人間ってさ、パートナーって呼べる存在に出会えることって、少ないじゃない?」

うん…
それはそうかも…

「仮に好きな人が出来たとして、勇気出して告白したって、結局“友達でいよう”って言われてさ…。で、人間って馬鹿だからさ、信じちゃうんだよね…。実際には“友達”にすらなれないのにさ…」

クスリと笑って僕を見下ろしたニノの目には、薄らと涙が浮かんでるように見えた…のは、僕の気のせいなのかな?
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