第19章 scene4:宴会場
頭をグリグリされる痛みから逃れようと、少しだけ身体をずらしてニノを見上げる。
「ねぇ、一つ聞いても良い?」
どうせ寝られないし、一度寝てしまったら、いくらモーニングコールして貰ったところで、ちゃんと起きれる自信もないから、ずっと聞いてみたかったことを聞いてみることにした。
「ん、何…?」
「ニノはさ、相葉さんと付き合う時って、どっちから…」
「告ったか、ってこと?」
僕が言い終えるよりも前に、ニノが僕の言葉を遮る。
「う、うん…」
「告白したのは私の方から…かな…」
「え、そうなの?」
なんか…意外かも。
だってニノって、けっこうハッキリ物事言ったりするし、可愛い見た目に反してキツーイことも平気で言っちゃったりするけど、案外奥手っぽいとこもあるから、まさかニノの方から告白した…なんて、想像もしてなかった。
「相葉さんからだと思ったでしょ?」
「うん…」
「あの人ね、見た目でも分かる通り性格も明るいし、超天然なんだけど、思った以上に色んなこと考えてんのよ…」
「そう…なんだ?」
何か…それはそれで意外かも…って、ちょっと失礼か(笑)
「あ、先に好きになっのは、相葉さんの方だからね? だってアプローチ凄かったんだから(笑)」
「え、でも告ったのはニノからなの?」
「そ。アプローチはするけど、告白する程の勇気はなかった…っていうか、随分葛藤してたんじゃないかな…」
「葛藤…って、そうゆう関係になっても良いか、ってこと?」
「そりゃそうじゃない? だってゲイビ男優(ニノの場合は“女優”かな?)同士の恋愛なんて、全く無いわけじゃないんだろうけど、やっぱり普通じゃないっでいうかさ…」
男同士の、しかもゲイビ男優同士の恋愛が、普通か普通じゃないか、って言ったら…
それはやっぱり“普通じゃない”んだろうから、相葉さんが告白を躊躇った気持ちは…正直分からないでもないかも。
実際僕自身もそうだから…