第19章 scene4:宴会場
元々長風呂が苦手な僕は、チャチャッと事後処理を済ませ、お風呂から上がった。
勿論、足腰ガクガクだから長瀬さんの手を借りて、なんだけどね♪
「後は任せても良いか?」
「はいはい、どうぞお任せください」
NINOにバスタオルを渡し、長瀬さんが僕をお布団の上に下す。
そして、撮影に使ったお布団をヒョイと肩に担ぎ、大きな身体を揺らしながら部屋を出て行こうとする。
でもドアを開ける直前でふと足を止め、僕を振り返ると、
「俺の部屋は向かいだから、何かあれば呼んでくれ」
「はぁい♪」
一応返事はするけど、NINOが一緒だから多分大丈夫だとは思う♡
「それから、朝八時には出発予定だから、それまでに準備済ませとけよ?」
え、そんな早いの?
せっかくだから、もう少しくらいゆっくりしたいのに…って、僕如きのためにそこまで経費もかけてらんないか…
それに僕も明後日はバイトだし…、仕方ないよね?
ま、でもNINOが一緒にいてくれるから、それだけでも全然気分違うんだけど♪
「あ、朝起しに来てくれるんです…よね?」
早起きはそんなに苦手なほうじゃないけど、今日は朝から晩までずっとイキっパなしで、けっこう疲れちゃったし、ちょっと自信ない。
「分かった。携帯の方にモーニングコール入れるようにする」
ふふ、良かったぁ♪
だってさ、僕も勿論なんだけど、NINOもスッピンではお外ってゆーか、人前には出られないじゃん?
あ、プライベートのお友達とかは別だよ?
でもお仕事の現場では、”男の娘”アイドルである以上、やっぱりなるべくならスッピンは晒したくない。
それにもしSNSとかに僕達のスッピンが拡散されでもしたら、生活にも影響出ちゃうし、櫻井くんにだって僕が”HIME”だってことが知られちゃうかもしれないじゃん?
いずれちゃんとお話しなきゃとは思ってるけど、僕のお口から言いたいしね?
ま、そんな理由(わけ)あって、僕達お寝坊さんするわけにはいかないのよね…