第19章 scene4:宴会場
身体の向きを変えたNINOが、両手を背中に回してドレスのファスナーを下ろす。
腕がつりそうになるくらい大変だって分かってるから、本当はお手伝いして上げたいけど、ごめんね?
僕今それどころじゃないんだ。
だって欲しくてたまんないんだもん♪
「くくく、せっかくこんな可愛い格好してくれたけど…、ごめんなさいね?」
黒いドレスを脱ぎ捨て、スッボンポンになったNINOが、長い黒髪を掻き上げながら、薄い唇で僕の唇を啄むようにしてキスをしてくる。
それだけでもう頭の芯がボーッとしてしまった僕は、NINOの言った言葉の意味を考える余裕もなくて…
「ねぇ、HIMEちゃんの可愛い部分(とこ)、もっと良く見てもらわないとね?」
僕の髪を撫でながら、膝を抱え込んだ腕を解いてしまうNINO。
一体どうするつもりなんだろう…
ぼんやりとする頭の片隅で考えていると、僕の身体がゴロンとひっくり返されて…
「あんっ…」
膝立ちになったNINOが、僕の腰を高く持ち上げた。
そしてカメラマンさんを僕のすぐ傍まで手招きをする。
「NI…NO…?」
戸惑いの色を浮かべ、枕に頬を埋めた僕の顔を、カメラが超至近距離で狙う。
ってゆーか、いつの間にカメラ増えたの?
薄目を開けて肩越しに振り返ると、目の前にあるカメラ同様、僕のお尻を超至近距離で狙うカメラがあって…
良く見ると、カメラマンさんのお股…しっかり大っきくなってる。
僕の目の前にいるカメラマンさんも…当然ね(笑)
ってゆーか、変だよね?
坂本監督もそうなんだけど、撮影に関わるスタッフさん達の多くは、“たまたま”ゲイビの撮影を主としているだけで、基本皆ノンケの人達ばっかり。
だから僕がいくら可愛くよがって喘いでみたって、そこまで大きくしちゃうことって、あんまり無い筈なんだけど…
あれれれれ?
おかしいなぁ?
…って、それだけ僕が魅力的ってことよね?♪