第19章 scene4:宴会場
「もう落ち着いたかしら?」
僕の息子くんを撫でながら、NINOが僕に言う。
でも顔を覆ったままの僕は、コクコクと頷きを返すことしか出来なくて…
「じゃあ、さっきの続きしてもよいかしら?」
「え…?」
えっとぉ…、さっきの続きって何だろう…?
とんだアクシデントがあったせいで、僕の頭の中は見事に真っ白になっていて、一生懸命記憶を辿ってみるけど、全然思い出せやしない。(因みに、カメラが回ってることすら忘れてる僕…)
だからかな…
多分僕、すっごく間の抜けた顔をしてたんだと思う。
NINOが呆れたとばかりに肩を竦め、僕のパンティから手を引き抜くと、マイクに見立てた電マくんを寄せた口元を僕の耳に近付けた。
「ねぇ、HIMEちゃん? HIMEちゃんが好きな”彼”は、HIMEちゃんをどんな風に抱いてくれるのかしら?」
「え…?」
”彼”ってのはつまり…櫻井くんのこと…よね?
だってNINOが知ってる僕の”好きな人”は彼しかいないんだもん。
でも僕と櫻井くんはまだ…
なんたって告白すらしてないんだからさ…
だから”どんな風に抱くか”なんて聞かれたって、僕には答えようがない。
「ねぇ、キスは? どんな感じなの? 情熱的なのかしら? それとも、案外あっさりなのかしら?」
櫻井くんからの…キス…?
唇に指を宛て、櫻井くんとのキスを想像してみる。
もし櫻井くんにキスして貰えるなら、
「えと…、情熱的なんだけど、でもとっても優しくて…、触れただけで愛されてるって分かるような…」
僕はそんなキスが良い。
「その後は?」
「え?」
「キスの後はどうするの?」
「えっと…ぉ…」
櫻井くんのちょっぴりふっくらした唇が、僕の唇に触れた後は、やっぱりまだ櫻井くんにキスされたくて…
「HIMEのお洋服を脱がせながら、首筋にキスを受けて、それから…
「あっ…」
やだ…、想像しただけなのに…、身体が熱くなってきちゃう…