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H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第18章 scene4:露天風呂


旅館に戻った僕達は、夕食の時間までの時間をそれぞれのお部屋で過ごすことになった。

坂本監督や助監さんは打ち合わせや、撮ったばかりの映像のチェック作業やらがあるらしく、僕みたいに自由時間が貰えるわけじゃなかったみたいだけどね。

僕は宛がわれたお部屋に入るなり、浴衣も下着も(←ブラだけだけど♡)ポイポーイと脱いで、ついでにウィッグも取って、専用の露天風呂に飛び込んだ。

「ふぅ~、気持ち良い♪」

四方を塀で囲われているから景色は見えないし、大浴場の露天風呂みたく解放感はないけど、それでも足はちゃんと伸ばせるし、乳白色のお湯はトゥルンとしてて気持ちいいしで、僕だけがこんな贅沢をさせて貰ってると思うと、ちょっぴり申し訳なくなっちゃう。

けど仕方ないよね?

だって、これでも一応僕”主演女優(←男優?どっち?)だし、それに朝から散々な目(←いや、けっこう楽しんでたけどね?)にも合わされてきたんだし、これくらいの贅沢は良いよね?

僕は星がチラホラ見え始めた空を見上げて一つ伸びをすると、油断すると閉じてしまいそうになる瞼に喝を入れるために、両手に掬った乳白色のお湯を顔に浴びせかけた。

メイクは後で直せば良いもんね♪



お風呂から上がった僕は、暫くの間スッポンポンのまま、並べた座布団の上に大の字になった。

せっかくサッパリしたのに、浴衣なんか着ちゃったら、また汗かいちゃうでしょ?

それにしても…

「お腹すいたな…」

僕にしてはけっこうな量だったお昼ご飯も、そこそこ激しい運動をすれば当然お腹だってすく。

僕は寝っ転がったまま、手だけをテーブルの上に伸ばすと、菓子器に入ったお饅頭を一つ、手に取りパクリと頬張った。

「んふ、おいちぃ♡」

寝っ転がったままで、なんてお行儀が悪いと思われるかもだけど、誰も見てないし…良いよね?

「あ、そう言えば…」

僕は二つ目のお饅頭を頬張ると、部屋の隅に置きっ放しになっていたリュックを引き寄せた。
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