第18章 scene4:露天風呂
僕は櫻井くん(想像…だけど)の返事を待つことなく、まだ少し硬さの残る蕾に指をツプン…と挿れようとしたところで、
「カーット!」
坂本監督の声が飛んで、ズボンの裾を膝まで捲り上げた坂本監督が、バシャバシャと水しぶきを上げながら僕の所まで駆け寄って来た。
もぉ…、いいとこだったのにぃ…
ってゆーか、お風呂で走っちゃいけません、って教わらなかったの?
「あのぉ…、HIME何か変でしたか?」
「いや、良かったよ、凄く良かった…んだけど、そこから先は部屋風呂で…ってことになってなかったっけ?」
あれ…?
僕、ちゃんと台本見て来た筈なんだけど…、忘れちゃったのかな?
あ、もしかして風間ポンのせいかも!
だって風間ポンたら、僕にパンティも無しでお買い物に行けとか言ったし…
だから僕忘れちゃったんだな…
「あ、ご、ごめんなさい…。HIME、温泉なんて来たの久しぶりだったし、ちょっと嬉しくなってつい…」
「なるほどな(笑) あ、ところで…」
坂本監督が、指で顎をすりすりしながら、ニヤニヤと笑う。
坂本監督って、背も高いし、身体もガッチリしてて、お顔だって(櫻井くんには劣るけど…♡)そこそこ良いのに、ニヤニヤするとせっかくのイケメンも台無しになっちゃうのね?
勿体ないね(笑)
「随分と熱っぽい目をしてたけど、誰のことを想ってたのかな?」
「え…?」
「何て言ったら良いのか…、そうだ、恋する乙女みたいな顔してたぞ?」
「そ、そう…ですか?」
キャー、どうしよう…
僕がこっそり心の中で櫻井くんのことを想ってたこと、しっかりバレてた…ってことだよね?
やだぁ…、恥ずかしい…
「まあ、おかげで良い画(え)が撮れたけどね?(笑)」
「も、もぉ…、揶揄わないで下さい…」
「いや、揶揄ってはいないよ。たださ、この調子だと、もっとエロくて可愛いHIMEちゃんが見られそうだと思ってね」
それって…、僕に期待してる…ってことよね?