第18章 scene4:露天風呂
誰かがゴクリ…と、息をのんだのが分かった。
監督さんを含め、十人近くいる撮影スタッフは、何も全員がストレートの人ばかりじゃない。
当然、僕と同じ趣味嗜好を持つ人だっている。
だからねら分かるよ?
早く見たいんだよね?
でもね、簡単には見せて上げないよ?
だって、楽しみは後に残しておいた方が、何倍も何十倍も大きな喜びになって返って来るじゃない?
僕はカメラに背を向けると、肩越しに振り返って一つウィンクをしてから、バスタオルの前をゆっくり開いた。
浸した足から伝わってくるお湯の熱さなのか、それとも僕の身体が火照っているのか、バスタオルを落としてもそれほど寒さは感じない。
僕はカメラに背を向けたまま静かに立ち上がると、胸から腰に…太腿にかけて、身体のラインを強調するかのように指を添わせた。
そして腰を左右にくねらせながら、徐々に身体を前屈みにし、片手を石畳に着いた格好になった僕は、突き出したお尻を円を描くように撫でた。
「は…あ…」
撫でてるだけなのに、好きな人に見られてると思うと、自然と息が熱くなって、同時に荒くなって行く。
僕はお尻を撫でる手を時折割れ目に沿わせ、小さく窄んだ蕾の周りをくるりと撫でる。
たったそれだけのことで、僕の身体は期待に震えた。
僕は知ってるから…
そこに触れることで、どれだけ胸が踊るのか…
そこに挿れることが、どれだけ気持ちイイのか…
僕の身体は知ってる。
だから想像するんだ…
今僕のお尻を撫でてるのは、櫻井くんの手なんだ、って…
僕の中を、櫻井くんの指が掻き混ぜてくれるんだ、って
そして想像の中の櫻井くんに語りかけるんだ、
「ねぇ…、HIMEのここ…また触りたくなっちゃった?」
って…
でも櫻井くんは意地っ張りだから、簡単には首を縦には振ってくれないんだ。
本当はさ、僕に触れたくてウズウズしてるのにね?
僕、知ってるんだからね?(笑)