第17章 scene4:温泉宿
いっつも思うんだけど…
僕の息子くんて、どうしてこうも素直なんだろう…
ここ最近、ニキビくんに触られたりなんかで、多分いつもより敏感になってるんだとはおもうけど、それにしたってだよ?
別に触られたわけでもないし、相手(あ! そーゆー相手じゃなくてね)はいかにも人畜無害そうな風間ポンだし…
絶対そうーゆー雰囲気にはならない筈なのに、何故だか反応してしまう僕の息子くんは、、やっぱり素直なんだと思う。
僕は脱いだパンティを綺麗に畳んで、下着専用ポーチ(使用済み用)のポーチに仕舞い、リュックの底の方に突っ込んだ。
だって短時間とはいえ、一応は使用済みだし、落としたりなんてしたら恥ずかしいもんね。
僕はパンティを脱いだことで窮屈感こそ無くなったものの、急に頼りなさを感じ始めた下半身を、そっと手で隠した。
なのに…
「せっかく隠したのに申し訳ないんだけど、スカート捲って見せてくれる?」
見せる…って、何を?
「あ、一応後で編集はするんだけど、それなりに撮れ高はないと困るからさ」
それは分かるよ?
僕だって“一応”業界に片足の先っぽくらいは突っ込んでるわけだからね?
それにお仕事だしね?
今更恥ずかしがることじゃないもんね?
うん、スカート捲るだけだもんね?
平気だもん。
平気なんだけどさ、なんだろう…
前なら、スカートを捲るくらい、躊躇いなんて全くなく出来てた筈なのに、櫻井くんのことが好きだって自覚した途端、恥ずかしくなっちゃうなんて…
はあ…、ダメダメ…
こんなんじゃ、ゲイビ界の“男の娘”アイドル失格だよね?
皆僕のエロ可愛い姿見たいんだもんね?
頑張んなきゃだよね?
僕はスカートの裾を指で摘むと、潤ませた視線はカメラに向けたまま、ゆっくりとした動きで持ち上げた。
それまで覆っていた物が無くなったことで、お股にスーッとした寒さを感じる。
なのに、元気100倍の息子くんだけは凄く熱くて…
僕の口から吐き出される息も、自然と熱くなる。