第16章 日常7:眠れない僕と寝相の悪い彼
その時…
「…フゴッ…、ん、HIMEちゃ…、へへへ…」
不意に伸びて来た櫻井くんの腕が僕の首に巻き付いて…
「う、うわぁっ…」
僕の意志とは関係なく、櫻井くんの胸にズッポリと包まれてしまって…
「ちょ…、あ、あの…」
さすがにヤバいと思って一応抵抗してみるけど、よっぽど深く寝入ってるのか、櫻井くんはビクともしない。
そりゃそうか…
僕の分(←根に持ってる)ビール飲んだもんね?
ちょっとやそっとじゃ起きないか…
ってゆーか、寝てる時までHIMEのこと考えてるって…、どんだけ好きなんだよ…
はぁ…
同じくらい僕のことも見てくれたら良いのに…って、どうしても思ってしまうのは贅沢なことなの?
僕は抵抗するのを諦めて、櫻井くんの腕に締め付けられるまま胸に顔を埋め、瞼を閉じた。
眠ってしまえば、余計なことを考えずに済むって思ったんだ。
なのに…
「え、え、ちょっ…、あっ…、だめっ…」
背中を丸めた櫻井くんが、急に膝を曲げたりするもんだから大変!
櫻井くんの膝が、丁度僕のお股に当たって、グリグリとしてくるから、僕の息子くんだって反応しないわけにはいかなくて…
ヤバいよ…ぉ…、こんなの絶体絶命じゃん
このままだと僕…
「ね…、ちょっと…、んっ…」
ああもぉ…、この間(櫻井くん家にお泊まりした時ね)も思ったことだけど…
櫻井くんて超寝相悪いし、だいたい僕は抱き枕じゃないっつーの!
もぉ…、こんなんじゃ眠れないじゃんか…
寝不足はお肌に良くないんだよ、知ってる?
HIMEのお肌がボロボロになったら、櫻井くんのせいだからね?
僕は元気になり始めた息子くんに、これ以上お調子に乗らないよう言い聞かせると、櫻井くんの膝攻撃から逃れるように、徐々に腰を遠ざけた…つもりなんだけど、やっぱり無理(笑)
だって僕の息子くんは良く知ってるから…
グリグリされるのが、とーっても気持ち良いってことをね♡