• テキストサイズ

H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第14章 日常5:素顔の僕とお姉ちゃん(?)


相葉さんの淹れてくれたコーヒーを、フーフーしながら口に含む。

あ、美味しい…、けどちょっと苦いかも…

「じゃあ…さ、智が言うように、その”櫻井くん”ってのが、HIMEの正体に気付いてないとして…」

智はどうしたいの?

って聞かれて、僕は一瞬困ってしまう。

「分かんないよ…」

一応返事はしてみるけど、いきなり(でもないけど…)”どうしたい”なんて聞かれたって、はっきりとした…明確な答えなんて、今の僕には出せそうにもないんだもん。

ただでさえ出来損ないなのに、頭だって混乱してるしさ…

「分かんないって…、でも付き合いたいとか思わないの?」

「そ、それは…」

出来る事なら、って思わなくもないけどさ、そんな簡単なことでもない。

「櫻井くん…ノンケだもん。無理だよ」

現実的に考えて、根っからのゲイである僕と、ノンケである櫻井くんが付き合うとか…可能性としてはうーんと低いもん。

だから、仮に僕が告白したとしても、あっさり”ムリ”って言われて、木っ端微塵になるのが落ちだもん。

そんな人を今まで何人も見てきたし、実際僕も経験してるし…

フラれるの覚悟で告白して、櫻井くんに嫌われたくない。

「でもノンケだから絶対無理ってことはないんじゃないかな?」

モスグリーンのマグカップを手にした相葉さんが、和とは反対…僕を間に挟むようにソファに腰を下ろした。

「確かにさ、ハードルは低くないかもしんないけどさ、全く可能性がないわけじゃないと思うんだけどな…」

「そうだよ、実際雅紀だって、ねぇ?」

僕を間に、二人が頷き合う。

「えと…、もしかして相葉さんて…?」

ノンケなの?って聞こうとした僕に、相葉さんが大袈裟なくらいに首を振る。

どゆこと…?

「俺はノンケって言うより、どっちもイケるっていうかさ…」

「バイ…ってこと?」

「一言で言えばそうかな」

ええっ…、僕てっきり相葉さんは正真正銘のゲイだとばかり…

なんかちょっと意外だったかも…
/ 753ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp