第13章 scene3:待合室
「よーし、オッケーイ! 良かったよ、凄く良かった」
松岡さんがカメラをスタッフなな渡し、両手を叩きながら僕の元へと駆け寄って来る。
その顔はさっきまでとは打って変わって満面の笑みで…
熱血カメラマン松岡さんにOKを貰えてホッとした僕は、全身をとんでもない脱力感に襲われて…
ううん、脱力感だけじゃなくて、絶頂感…って言ったら良いのかな…、イッちゃった時みたいな疲労感に、膝から崩れそうになった。
「おっと…」
幸い、松本さんが僕のおっぱいと“暴れん坊将軍”を掴んでいたから良かったけど、もしそうじゃなかったら僕…
お股おっぴろげでその場にひっくり返ってたかも…
「っていうか君…、HIMEちゃんさあ…」
「え…?」
「良くそんなんでこんな仕事してるね?」
どゆ…こと?
え、僕この仕事向いてないってこと?
確かにさ、“智”はそうかもしんない。
一応“ゲイ”だし、顔だって…“人並み”よりは上行ってるし、男の割には可愛い方だと思うけど、人前で…ましてや映像として残ってしまうようなセックスには…向いてないと思う。
だって“智”は、超奥手だし、気も小さいし…
でも“HIME”は違う…よ?
「HIME…ダメなの?」
ちょっとショックなんだけど…
「いやいや、そうじゃなくて… 」
「?」
じゃあHIMEの何がダメなの?
「撮影中もずっと思ってたんだが…」
え、そんな前から?
「感じやす過ぎじゃないかと思ってね…」
「え?」
それって、HIMEの身体が全身性感帯みたくなってることが問題、ってこと?
でも、触られると気持ち良いんだもん…
勝手に身体が感じちゃうんだもん…
仕方ないじゃない?
「疲れない?」
「疲れる…って、感じ過ぎて…ってことですか?」
「まあ…、簡単に言うとそういうことかな…」
なーんだ、そんなこと(笑)
だったら心配ないわ♪