第13章 scene3:待合室
僕は蕾ちゃんにティッシュで包んだ指を宛がったまま、スタジオの片隅に移動すると、誰も周りにいないことを確認してから、指を蕾ちゃんの奥へと押し込んだ。
「ん…、んんっ…」
蕾ちゃん自体は…しっかり柔らかくなってるから、痛いとかは…全然ないけど、やっぱり多少の違和感は感じるわけで…
なんとなーく…だけど、感じちゃう♡
僕は中に残ったモノを掻き出すように、中に挿れた指を動かした。
「あの…これ…」
背中からかけられる声すら、耳に入らないくらいに、無心でね。
「リンゴジュース…買ってきたんだけ…ど…」
はいはい、リンゴジュースね…
今僕それどころじゃないの、忙しいんだから…、って…
「えっ…?」
リンゴジュース…って、まさか…
僕は肩越しに声の主を振り返ると、蕾ちゃんに挿れた指をゆっくり引き抜いた。
だってまさか振り返った先に、リンゴジュースのペットボトルを握った櫻井くんが立ってるなんて…
思ってなかったんだもん!
え、え、ってことはさ…
見られちゃった…ってこと?
嘘…でしょ?
で、でもちょっと待って?
「え…と…、いつからそこに…?」
そうだよ、さっき確認した時は誰もいなかったし、ついさっき来たばっかかもしんないし…
うん、きっとそうだよ…って思いたかったんだけどなぁ…
「いつからって…、HIMEちゃんが指突っ込んだあたり…からかな…」
マ、マジ…ですか…
ってことはさ、こんなガニ股で、しかも蕾ちゃんに指突っ込んで、声こそ出てない(つもり…)けど、一人感じちゃってる姿を、櫻井くんに見られちゃった…ってこと?
「や、やだぁ…」
僕は両手で顔を覆うと、その場にペタンと尻もちをついた。
だってこんな、セックスしてるよりも恥ずかしい姿…、櫻井くんに見られちゃったなんて…
僕…
穴があった挿れたい…じゃなくて、入ってしまいたいよ…