第12章 scene3:診察室
我が目を疑う…って、こうゆーこと言うのかな?
僕は目の前にあるモノが本当に現実のモノなのか、どうにも判断が出来なくて…
あ、そっか…、きっと夢を見てるんだよね?
じゃなきゃ、超有名人気男優の松本さんのアレが、“KING”じゃなくて“Prince”だったなんて…、あるわけないものね?
そうよ、きっとさっきの強烈な快感のせいね?
凄かったもの…
だから今僕の目の前で揺れる“Prince”は幻よ…
だって松本さんだもんね?
僕は自分に言い聞かせ、瞼を閉じたままで、松本さんの“KING or Prince”に手を伸ばした。
でも…
あ…れ…?
もしかして夢じゃ…ない?
確かに僕の手って、綺麗だって言われること多いけど、そんなに小さくはないよ?
寧ろ大きい方なのかもしんない。
だけどさ、僕の手が余るって…どゆこと?
僕は首を傾げつつ、松本さんを見上げた。
すると松本さんは、
「まずは喉の奥から見せて貰おうか…」
ゆっくりとした動きで診察台の上に上がると、僕の顔を跨いでから、僕の顎先に指をかけた。
「口…開けて?」
僕は言われるまま口を開き、顔の上で揺れる“KING”…じゃなくて“Prince”に舌先を伸ばした。
「おっと…、ちゃんと“あーん”って言わないと、奥まで見えないよ?」
あ、そっか…
「あ…ーん…」
「良い子だ…。さてどれどれ見せて貰おうかな…」
松本さんが静かに腰を落とすと、僕の中に松本さんの匂いが、微かに香った。
すっごく良い匂い…
“KING”じゃなかったのは…
ちょっぴり残念だけど、匂いはとても上品で…なのに、毒のある男の匂いで…
松本さんの匂いを嗅いでいるだけで、頭の奥がジンと痺れてしまいそう。
頭だけじゃないわ…
HIMEのお尻も、それから“暴れん坊将軍”も…
身体のありとあらゆる場所が、疼きを感じ始めた。