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H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第10章 日常4:彼のベッド


どれくらいそうしていたんだろう…

僕は地震でも起きたかのような…?

地鳴りみたいな足音と、

「大野くん! 大野くん! 大野くん!!」

僕を呼ぶ櫻井くんの声に、ハッと我に返った。

ヤ、ヤバイ…、まだ朝ご飯の準備何もしてない…

徐々に近付いて来る床まで抜けちゃいそうな足音に、僕は俄に焦り出す。

えっと…、お鍋は…

あ!
パンで良いって言ってたんだっけ?

んと、パンは…

僕は使い勝手の分からないキッチンを、一人右往左往するばかりで…

「大野くん!」

僕の名前を連呼しながら、櫻井くんがキッチンカウンターをバンと叩いた瞬間、

「ひぃっ…!」

僕は飛び上がる勢いで背中をビクンと震わせた。

「ご、ごめん…、実はまだ…」

てっきり朝ご飯が出来ていないことを咎められるとばかり思っていた僕は、咄嗟に謝ろうとした。

でも櫻井くんは、

「ちょっと聞いて!」

カウンターに身を乗り出して僕の腕を掴むと、手に持っていたスマホを僕の前に突き出して来た。

「な…に? スマホがどうかした…の?」

「違うよ、スマホじゃなくてさ、これ!」

櫻井くんはスマホのトーク画面を開くと、「ここ読んで!」とスマホの画面を指でトンと弾いた。

「で、でも…」

人のスマホを見るのって、何だか気が引ける様な気がした僕は、咄嗟に視線をスマホから逸らした。

でも…

「いいから! 早く見てって!」

尚も僕にスマホを見るように促して来る櫻井くんに、僕はちょっとくらいなら…、と躊躇いつつもスマホの画面に視線を落とした。

えっと…、なになに…?

『撮影現場の見学、監督に許可貰ったから、今度連れてってやる』

ふーん…、見学ね…

「何だか良く分かんないけど、良かった…ね…」

って…、ん?
どゆこと?
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