第10章 日常4:彼のベッド
なー〜んだ、何事かと思ったら、ただの痴話喧嘩じゃん(笑)
ってゆーか、原因は“僕”なのね?
ってことは、嫌でも返事を返さないわけにはいかないじゃん…
しかも、相葉さんはAV業界ではトップクラスの男優さんだし、NINOにしたって“男の娘”界ではトップアイドル的存在で、二人とも僕よりも先輩だし…
既読スルーは…、流石に許されないよね…
僕は再度相葉さんとのトーク画面を開くと、時間も時間だし、起きてる筈ないと思いながらも、櫻井くんオススメの、HIMEによく似たアニメキャラのスタンプを送った。
『こんばんはぁ〜』と、一言添えて…
すると驚いたことに、スタンプを送信してから、ものの数秒で“既読”の文字が付いて…
慌てた僕の手からスマホが滑り落ちそうになった。
それでも気を取り直して、『遅くにごめんなさい』とメッセージを送ると、すぐ様相葉さんから、奇妙な色をしたくまさんがワンワン泣いてるスタンプが送られて来た。
なんか…、櫻井くんもそうなんだけど…
一見、誠実で真面目そうで、爽やかを絵に書いたような人に限って、どこか抜けてるのね?
やたらと部屋が散らかってたり、デリカシーが無かったり…
ふふ、子供みたい(笑)
僕はNINOからのメッセージは見ていないことにして、
『“和也さん”と何かあったんですか?』
シレーっと相葉さんに問いただした。
『実はさ、俺余計なこと言っちゃったみたいでさ…』
『なんて言っちゃったんですか?』
『HIMEちゃんとのセックスは、俺とのセックスより気持ちよかったか、って…』
あっちゃ…、そりゃNINOじゃなくても怒るよ…
『それから…』
は?
まだ他にもあんの?