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H・I・M・E ーactressー【気象系BL】

第10章 日常4:彼のベッド


ヤバイ、よね…?
この状況は、ひっじょーにヤバイ!

僕が身を引こうとすればする程、櫻井くんは僕の腰に回した腕の締め付けを強くするし、おまけに足まで絡められて、息が触れ合うくらい顔の距離だって近い。

なんなら、アイツだけじゃなくて、唇だって触れちゃいそうな距離なんだもん。

こんなの、もうどうしたら良いのか分かんないよ…

でも…

こんな間近て櫻井くんの寝顔を見れるなんて…
ちょっと嬉しいかも♪

僕はそっと櫻井くんの顔に手を伸ばしてみる。

汗ばんだ額に貼り付いた髪を指で掬い、男らしく凛々しい眉毛をなぞる。

長い睫毛がピクリと動いたような気がするけど、僕は気にすることなく、スッと筋の通った鼻を撫でた。

そして、いよいよぽってりとした唇に…ってところで、僕の手は動きを止めた。

違うな…
実際には“止めた”んじゃなくて、“止められた”だな…

「さ、くらい…くん…?」

ゆっくりと視線を上向けると、別段驚いた様子もなく櫻井くんが僕を見つめていて…

「いつから起きてた…の?」

僕が聞くと、ゆっくりその顔が近付いてきて…

いや、元々凄く距離は近かったんだけど、もっと…鼻と鼻がぶつかっちゃうような…そんな距離で…

このままだとキスしちゃう!

僕は思わずギュッと目を瞑って、唇も引き縛った。

だってこんな事故みたいなキス…やだもん。

初めてのキスはさ、やっぱりお互いちゃんと気持ちを確かめ合って、それから、それから、えっと…

あ、そうだ!

シチュエーションてゆーの?
雰囲気とかも超大事じゃん?

だからやっぱり事故でキスしちゃうのは…

…って、あれ?
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