第10章 日常4:彼のベッド
暑い…、ってゆーか熱い…
喉…乾いた…
僕は喉の奥に感じた乾きに、ゆっくり瞼を持ち上げた…けど、すぐ閉じた。
だって夢の続きを見てるんだと思ったんだもん。
好きな人が隣で眠ってて、ちょっといびきは煩いけど、でもすっごく幸せな…
ゆ、夢じゃない!
僕は閉じた瞼を勢い良く見開くと、目の前にある寝顔に見入った。
どうして櫻井くんがここ…に…?
ってゆーか、どうして僕ここに…?
僕は櫻井くんの寝顔にドキマギしながら、記憶の糸を辿った。
確か…
シャワーを浴びて戻って来たら、櫻井くんがHIMEのDVDを見てナニをしていて…
それで気まずくなった僕は廊下で時間を潰そうと思って…
でも廊下の床暖房が思ったより気持ち良くて、そのまま…
それで櫻井くんがここまで僕を?
看病する筈の僕が、病人のお世話になるなんて…
僕ダメダメじゃん…
僕は櫻井くんを起こさないよう、ゆっくり身体を起こす…けど、櫻井くんの腕がしっかり僕の腰に巻き付いていて…
え、ちょっと…、どうしよう…
腕を退けようとしても、ピクリともしなくて…
困ったな…
喉は乾いたし、トイレにも行きたいし…
やっぱり起こすしかない…よね?
僕はそっと手を伸ばすと、息をする度に膨れたり萎んだりする櫻井くんの頬を、指でツンツンと突っついた。
「ん…」
「あの、気持ち良く寝てる時にごめん…だけど、僕トイレ…」
「ん? ああ、トイレなら…グー」
え、ね、寝た…の…?
「ちょ、ちょっと櫻井くん?」
トイレの場所なんてどうでも良いから、この腕を退けて欲しいんだけど…
ってゆーか、さっきより締め付け強くない?
だって…
櫻井くんは気付いてないかもしんないけど、僕達のアソコ…キスしてる…よ?