第3章 意識
ドタバタと忙しかったが、ようやく休日が来た。
午前中に家事を行い、昼頃には全て終わった。
目一杯背伸びをして、ベッドに転がる
「はぁ……疲れたぁ…」
久々にあんなに忙しくなったので、体の色んなところが叫んでいる。特に運ぶものが多かったので主に腰がやられてしまった
もう動きたくないなぁ…と、眠たくなりながらそんなことを考えているとチャイムが鳴り響いた
「………」
せっかくの休日に誰が来たんだ。こんな昼間に。昼飯でも食べてろよ、なんて内心荒れながら玄関に向かう。
うちのアパートはテレビドアホンなんてついていないので、覗いて確認するしかない。
ドア穴を覗くと、そいつは手を振っていた。しかもバッチリこちらを見ながら。
……は?
私はこんなに早くドアを開けたことがないってくらいの速度で開け、急いでそいつを掴み部屋に入れる。
「な、なな、なっ、何考えてんの!?ジムリーダーの仕事は!?ジムチャレ中じゃない!」
近所迷惑にならない程度の大きさの声で突然訪れてきた幼馴染を問い詰める。
毎回毎回連絡もよこさずに訪ねてくるのはわかってたけど、まさかこんな真っ昼間から来るとは思わなかった。
彼は変装のためにつけていたであろうマスクと帽子を取ってへらっと笑った
「いや、オレ様のとこ最後のジムだから開催直後なんて誰もこねーし、ジムトレーナーたちも『今は自主練に専念します!』とか言ってるし……。オレ様たちのトレーニングも終わって暇になったんだよ」
「だからって来るなよ……」
キバナを一瞥し、ため息をつく。なんでこんなに危機感というか……本人的には変装しているからバレないと思ってるかもしれないけど…。
「……オマエ、なんつー服装してんだよ…」
「え?……ああ、うん、休日だったからね。適当な服でいーかなー……みたいな?」
そう答えると、今度はキバナにため息をつかれた。
意味がわからない。学生時代のジャージを使い回しているだけだぞ。寝巻きにも使ってるのに……!
「色気もなんもねーよなぁ……」
「はぁぁ〜?キバナに言われなくても分かってます〜!!今に見てなさい!さっさと彼氏作って結婚して見返してやるわ!」
そう言うと「はいはい」とつまらなそうな表情で返事をされた。
いろいろ抗議したい気持ちを抑え、リビングに移動した