第2章 画面の君は
あの日から数日経った。
私は今、品出しを必死に行なっている。
「待ってこれ違う!?うそ、やばい」
「あったあった!!こっちだよ!」
現場は混乱を極めている。
何故かって……それはもちろん、ジムチャレンジ、チャンピオンカップに向けてみんな服を買いに来るからだ
この時期になると、いろんな場所から開会式に集まるのでその際に服を新調したりする人が多い。
なかなかナックルシティに来ない人とかは特に買う量がすごい。
しかも、ジムチャレンジする子も買う子は買うので、品出し準備をしないとすぐに無くなってしまうのだ
そんなことで最近はあまり余裕が無く、あの日のことは全然考えていない。
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そして、あっという間にお昼の時間になった。
私は昼休憩を貰い、昼食を駅で食べている。
「疲れた……」
席につき、大きくため息をつく。
ああ、早く帰って癒されたい……
頼んだサンドイッチを手に取り、一口食べる。
特に食べたいものがなかったので一番最初に目に入ったものを頼んだが、正直口の中の水分が飛んでいくのでパン類にしない方が良かったかもしれない。
「あ……そっか…。今日開会式…だったのか。」
だから店長は早く品出しを始めたわけか……
スマホロトムで色々と見ていると、そんなニュースが目に入ってきた。
試合をする気はないが、観るのはやはりワクワクする。
ニュースの記事を読みながらスクロールをしていく。
すると、まだ開会式の様子が観ることができるとのことなので、自分が聞こえる程度まで音を下げて再生ボタンを押す。
「わ……毎回思うけどすごい人……。あ、ローズ委員長」
すこしダイジェストにされているので、ところどころ飛んでいく。
見続けていると、ジムリーダーの登場になった。
ヤローさんの姿を見て、ガタイがいいな、とか仕様もないことを考える。
他のジムリーダーの姿を見る機会なんて、広告とか以外は無いのでついじっくりと見てしまう。
次は彼が出てくるんだろうな、と思いながら見続けていると、手を振った後自撮りをしている彼が画面に映った。
相変わらず自撮りばっかりだなぁ……。なんて心の中で苦笑する
「なーなー!お前中継観た?」
「もちろん!」
すこし離れた席で、大きめの声で若い男子が話しているのが聞こえてきた。