第7章 File:7
「ありがとう、狡噛さん。いつも助けてくれて…」
が力なく笑って見せた。狡噛はそれを肯定として受け取る。心のどこかに残っていた不安が払拭された。これで暫く彼女は目の届くところに居てくれる。
「おいで。」
腕を広げて待つとは静かに寄ってきて目の前で止まる。その顔には戸惑いが見えた。細い肩をそっと引き寄せて腕の中に収めると、とかしたばかりの髪を撫でる。子供を甘やかす親の気分だった、と思う。今は自分をただの世話焼きなんだと狡噛はどこか言い聞かせていた。でないとこの柔らかい肌と温かさに侵されそうになる。そうなる前に体を離した。
「先に寝てろ、疲れただろう。」
「そうします。」
「ちゃんと歯磨きしろよ。」
「はい。」