• テキストサイズ

BERKUT【PSYCHO-PASS】

第6章 File:6


「ギノ先生、ドローンの解析が終わったぜ。」

同行していた佐々山執行官がデバイスを操作しながら合流する。このドローンはらと行動していたドローンだったが現場についたときには倒れて電源が落ちていたらしい。
そのため電源が落ちる以前のデータが残っていた。
宜野座のデバイスから出力される映像を横から覗き込む。
初めはと、景色ばかりだった。廃棄区画内の病院を巡り、出生証明を探している様子だった。管轄の局員は廃棄区画内までは同行しなかったらしい。それは色相保持のために仕方のないことだが、問題はそのあとだった。
良い結果が得られず局員と合流した直後のこと。

『また!?もう何日探してると思ってるの!?』

局員のヒステリックな声がデバイスから割れんばかりに溢れ、宜野座は反射的に音量を下げた。ドローンを同行させるが送り迎えは局員が行っていたと見える。

「彼女の色相、ここ数日でかなり濁ってやばかったみたいだぜ?」

色相の数日間のデータを見ればそれは一目瞭然だった。徐々に濁っている。セラピーやカウンセリングも受けたようだが、効果は一時的でその直後は安定しているがその後はまた悪化している。時間帯も決まっているのでこの間に何をしていたかだが。

「まあ間違いなくに同行してた時間だろうな。」

「おい。」

がすぐ後ろにいるにも関わらず普通の声量の狡噛に佐々山は小突いた。
廃棄区画に近寄ること自体が色相悪化を招くと思われている以上仕方ないと、狡噛なりにフォローするも佐々山は呆れて溜息を吐いた。
それに便乗するように宜野座まで溜息を吐く。

「全く、狡噛は昔からデリカシーがないからな。」

「ギノに言われるとは思わなかったな…」

「目糞鼻糞だよお前ら。男やり直してこい。」

どういう意味だと真面目に食ってかかってくる二人の監視官にあからさまに面倒くさそうな態度をした佐々山は、我慢しきれなかった煙草を一本咥えて火を付けた。
紫煙を二人に向かって吐き出すと「やめろ」「臭いんだよ」と手で煙を払う仕草まで同じで笑えてくる。

「悪いね、こんなアホな奴らで。」

佐々山はに向かって困ったような笑った。
それは彼女が以前に見た猛獣のようなそれとは違っていた。
/ 260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp