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BERKUT【PSYCHO-PASS】

第3章 File:3


狡噛は再びタオルをに乗せるとタブレットでレベルを上げて更に環境ホロも設定し、ゴーグルを装着する。
は汗で濡れたタオルを汚いものを摘むように頭から降ろして足元に投げ捨てた。

「近くで見てもいいですか?」

ゴーグルをかけた狡噛にはもう別な景色が見えているのだろう。再び動き出したドローンに体をむけていた。

「構わんが距離に気をつけろ。」

「はい。」

は狡噛が持ち出したゴーグルの置き場所に行きもう一つ取ると装着した。それだけでは景色が変わらないと分かると今度はタブレットを確認し、自分のゴーグルを同期させた。
すると景色が少しずつ変わっていった。
ビルの屋上のような場所だった。足場は狭く、踏外せば真っ逆さまに落ちる。ビルの遥か下には道路を走る車と行き交う人々。実在の場所のようにリアルだった。そんな場所で狡噛は屈強なゴロツキと戦っている。こんなシチュエーションが本当に来るとは思えないが白熱した勝負につい見入ってしまう。相手もドローンではあるが今はホログラムをかぶって人間の姿。レベルを上げたせいもあり先程のトレーニングより動きも俊敏で力もありそうだ。
は二人の動きをなるべく離れたところで見ていたが、ドローンが急に目標を変えて向かってきた。
その変化には狡噛もすぐに気がついた。
襲いかかろうと向かってくる大きな男にそれを追う狡噛。
は大男が繰り出した拳をギリギリで交わした。否、男は倒れ足元で這いつくばっている。
体当たりしてその足にしがみついた狡噛がいた。


「早く離れろ!」

は二人と反対側へ走るが広くはないステージだ、また襲われそうになったら逃げなければならない。

「近くで見るだけって言っただろ!何やってんだ!」

はただ見るだけのつもりが、どうやらゴーグルを装着して同期したことで同じ対戦者として接続されたようだ。
パニックに陥る少女に電源を切るように言うが、電源がどこにあるか分からずまた慌てふためいている。
こうなったらさっさと決着をつけて一旦終わらせなければいけない。

狡噛は攻撃を防ぐことに徹していたが、反撃に入る。
顔面に一撃を入れ、ぐらついたところを横から飛び蹴りすると大男はステージギリギリまで吹っ飛んだ。
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