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BERKUT【PSYCHO-PASS】

第16章 楽園事件:7


は常守を探して局内を走り回った。一係の執務室は空。刑事課の廊下を走っていると出会ったのは霜月監視官。の姿を見てすぐ怯えていた。そんなことに構わずは霜月の両肩を掴む。

「なっ!何よ!?」

「あんたでもいい。手伝って!」

「はぁ?」


は作戦を霜月に伝える。少女の顔が刑事に変わる。

「本当にそんなんで釣れるんでしょうね?」

「釣れる。皆に伝えてね。」

そう言うとはまた走り出して、エレベーターで上へ向かった。

「全く…なんなのよもう!」

文句を言いながらも霜月は一係に招集をかける。先に報告した常守監視官もその作戦には眉を潜める。だが彼女にしか分からないものがきっとあるのだろう。
更にこれを聞いて宜野座が怒った。霜月にとっては踏んだり蹴ったりだ。

「を餌に阿頼耶を釣るだと!?あいつは化け物だ、危険だ!」

霜月はどっちも化け物だと言いたかった口を閉じる。
確かに危険だ。それに成功するかもわからない。
報告を受けた常守が作戦を見直す。

「現在、さんは公安局の屋上から阿頼耶をおびき寄せています。ここ数日、事件が起きていないので、もし阿頼耶が人を食っていなければそろそろ我慢できず動き出すだろうとの予想です。そして、もしそれが事実となれば彼はさんと違って動物の因子が上手く馴染んでいないということになるようです。」

阿頼耶は六花を元にして遺伝子上に他の遺伝子が馴染むように薬を作った。と基本構造が同じなら六花のものが使えると考えたからだ。だがそれは不完全だった。

「不完全?」

「亮一さんは居なくなる前に体に異変が起きていることをさんに相談していたようです。時々衝動的になりそうだということを。」

亮一は子供のころから少しずつ遺伝子操作をされているので、そこまで大きな変化は出なかった。それでも急に湧いてくる自分の中の何かに恐怖を感じて阿頼耶を探しに行ったのではとは言った。

「遺伝子が馴染まず動物の本能だけが残り、人を襲いだす、彼女の仮定が正しい場合、それを知っている阿頼耶は自分を完全なものにするため次はさんを狙いに来ます。」

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