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BERKUT【PSYCHO-PASS】

第12章 楽園事件:3


「あなたは…さんの仲間ですよね。」

狼は何を言うわけでもなく走り去った。常守は六合塚に加勢した。応戦しながら霜月に連絡を入れる。


「さんの仲間に会いました。狼の姿をしています。」

「狼!?こっちは宜野座さんがとの通信が途絶えたと言っています。」

常守のドミネーターが一人をエリミネーターで打った。
あと二人。

「さんは私達を阿頼耶に近づけないようにしているかもしれません。」

六合塚がもう一人打つ。すると残った一人は手榴弾を投げてきた。

「監視官!」

霜月のデバイスからは大きな爆発音が聞こえた。
彼女よりも宜野座が一番驚いている。その爆発音は実際の音も遠くで聞こえた。

「常守監視官!」

二人は無事だった。六合塚が素早く動き常守の腕を引いて下がった。二人とも吹き飛ばされたが擦り傷で済んだ。

「こちらは大丈夫です。」

デバイスの向こうからの声に宜野座はほっと胸をなでおろす。だがそれも束の間。突然頭上が陰ったと思ったら何かが降ってきた。それは宜野座の頭を覆うように上半身にしがみつくがかなり重いのでその場に倒れてしまう。霜月の悲鳴が聞こえた。

「霜月監視官!どうしたの!」

「…あ、ああ…これって。」

宜野座は何が起きているのか分からず、とにかく頭にひっついてくるやつを引き剥がそうとする。だが奴は爪を立てて離れない。肩や頭にしがみつき、無理に離そうとすれば爪が皮膚の上を引きずって肉まで抉れそうだ。
更に耳元で唸り声が聞こえる。やつの息と涎が垂れてくる。首を噛もうとしているのだと思い、どうにかこれ以上顔が近づけないように全力で押さえた。
その時。頭に大きな衝撃。同時に視界が明るく開ける。張り付いていたやつがいなくなった。遅れて突風がくる。宜野座が周りを確認すると、後ろでフラフラと立ち上がる四足の生き物と、空へ登っていく戦闘機…ではなく鳥だ。この四足の生き物は茶色い毛に斑のような模様があり、耳が尖っている。見た目は幼い頃に図鑑で見た豹に近い。額に切り傷のようなものがついているのはさっきの衝撃でできたものだろう。まだ生々しい。そして飛び去った戦闘機のようなアレは鷲だ。だ。となるとこの猛獣が阿頼耶。宜野座は何が起きているのか頭では理解したが体が追いつかない。
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