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はごろも折々、蝉時雨 ( 鬼滅*風夢 )

第3章 その蝶、侮ることなかれ





「······驚いた」



 ただ、誤魔化すように呟いていた。



「では、私はこれにて失礼させていただきます」



 微笑みながら去ってゆくしのぶに返事をすることも儘ならず、しばしその場に立ち尽くす。





 境内を埋め尽くしてゆく蝉時雨。




 わたあめの影から、星乃は実弥の消炭色をしばらく見つめ続けていた。







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