第11章 【金城剛士】I FOR YOU…3【KoC】
あのあと、家に帰って夕飯を食べ、お風呂に入って、部屋でお勉強をしていた和南お兄ちゃんに謝罪した。
「和南お兄ちゃん。今日はごめんなさい。」
「うん。ゆかり。もう飛び出していかないって約束して。」
わたしは頷くことしか出来なかった。
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THRIVEside
「剛士。お前が駅前でイチャついてたって、噂になってんぞ。彼女の身辺注意してやったほーがいいかもな」
剛士はブランチに購買のパンを頬張っている。
その眼光は相変わらず鋭いまま、目線だけ健十に寄越して返事をした。
「言われなくても。忠告どーも」
隣でいちご牛乳を摂取している悠太が軽く驚いた素振りを見せて剛士をからかう。
「あら珍しい。今日は雨かね?」
剛士は舌打ちをし悠太の座っていた机を蹴飛ばすのだった。
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主人公side
「降ってきちゃった…」
帰宅時間直撃の、土砂降りゲリラ豪雨。
折り畳み傘では心もとない。
学校と駅の間にある商店街。
アーケードの中で悩んでいると路地裏に引っ張られた。
金城剛士の女で間違いないーーー
そんな言葉が聞こえた気がしたが為す術もなく一瞬吐き気を覚え意識を失った。
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