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【短編集】夢路【B-project】

第10章 【KoC】I FOR YOU…2【金城剛士】


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獅子堂side
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「いやー、まさかカズくんの妹さんだったとはね〜。ごうちん、大丈夫かな?」
「今はそっとしておいてやれよ。」
「それもそうだねぇ〜。」

悠太はぶどう味のフーセンガムをポケットからカラコロと出して口に含んだ。
健十はJoinを開いて女の子たちとメールをしている。

「でもさぁー!カズくんにそっくりだったね!!言われてみると!」

悠太はキャッキャと子供のようにはしゃいでいる。

「そうか?カズは、もう少し腹黒い表情だからな〜。でもあのミルクティーブロンドはお揃いだよな。」
「おい。あれ。」

剛士が顎で指し示した場所には、サラリーマンを囲む不良たち。

「行くぞ。」
「剛士、程々にな。」
「ごうちんこわ〜い。」

殺気立つ剛士が一掃したのは言うまでもない。

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主人公side
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「トモくん、わざわざごめんね。」
「このくらい、どうって事ないよ。」

トモくんの車の広い後部座席で、隣同士に座っている。

「さっきの事なんだけど…」
「本当だよ。そして、将来そうなったらいいなって思ってる。」

トモくんはわたしの手を握って、口付けてきた。

「と、トモくん…」
「本当は内緒だったのに…ごめんね。俺が我慢出来なかったんだ。ゆかりが誰かのものになるなんて…」

トモくんはわたしを優しく抱き寄せた。

「愛してる。ゆかり。」

わたしは、トモくんの腕の中で、あたまがぐるぐると混乱して、ただされるがままだった。

つづく
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