第10章 【KoC】I FOR YOU…2【金城剛士】
走って、走って、来たことの無い公園まで来ていた。
とりあえず休憩したくて、ベンチに座って、ハンカチで顔を扇いだ。
携帯が振動している。絶対和南お兄ちゃんだ。感情的に電源を切った。
これからどうしよう。パパが帰ってくる時間までには帰らないと。
パパはやさしいけど、門限には厳しいんだよね…
はぁ、とため息をついて、少し目を閉じた。
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15分くらい一人でいただろうか。
お腹がすいたな、今日の夕飯なんだろう…
そんなことを考えていると、うしろから肩を叩かれた。
「かーのじょ。ひとり?」
「ぴゃっ!」
ぼーっとしていたわたしは飛び上がった。
「もー。ケンケン。びっくりさせちゃダメでしょ。」
「ごめんごめん。そんなに驚くとは。でも、この時間に公園に1人って、危なすぎ。」
「ご、ごめんなさい…」
青い髪の彼は、澄んだサファイアの瞳でわたしの制服をマジマジと見た。
「家出お嬢様ってとこか。家帰りたくないなら、遊びに行く?」
「ケンケン、ナンパしてる〜。チャラーい。」
ピンクの髪の彼がくすくす笑っている。
わたしは怖くなって、小さくなっていた。
すると青い髪の彼が視界から消えた。
「何してんだテメーは…っ、ゆかり?」
「剛士くん…」
剛士くんが青い髪の彼に蹴りをいれたから視界から消えたのだった。でも青い髪の彼は簡単に避けて空振りに終わってたけど。
「え?ごうちん知り合い?」
「剛士が女の知り合いなんて、珍しいじゃん。もしかして、コレ?」
青い髪の彼が小指を立てる。恋人の意味だ。わたしは赤くなった。
「悪ぃかよ。」
剛士くんも照れ臭そうにしてる。
「ええー?!ちょっと!そーゆー事は早く言ってよー!!」
「うるせえ、阿修。話はあとだ。こいつ家に返すから、今日は愛染と2人で頼む。」
「そういうことなら、仕方ない。貸しにしてやるよ。剛士。」
「チッ。」
剛士くん、お兄ちゃんみたいに見回りの途中だったのかな?
それって、お兄ちゃんとやってる事同じなのに、どうしてふたつの高校は争わなきゃ行けないんだろう…
「ゆかり。行くぞ。」
「ま、待って…っ」