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【短編集】夢路【B-project】

第9章 【KoC】I FOR YOU 【金城剛士】


わたしたちはお互い名前だけの自己紹介をしたあと、Joinの交換をした。

「もう上がりなのか。」
「はい!今日はこのまま帰ります。」

わたしは至極にこやかに告げると、金城さんはふいと目線を逸らした。

「…送っていく。」
「え!そんな、悪いですから。」
「女を1人で歩かせられねえ。」

それだけ言ったと思うと、駅に向かって金城さんは歩き出した。わたしは、駆け足で金城さんに着いていった。さっきから、ずっとドキドキしてる。なんて幸せな時間なんだろう…

「じゃあな。家に着いたら連絡しろよ。」
「はい!金城さん、ありがとうございます。」

大きく手を振って、わたしは改札の向こうへ歩いた。嬉しくてにやにやが止まらない。金城さんとJoin友達になれて、駅まで送って貰えるなんて。明日からも勉強や学校生活、たくさん頑張れそうだ。

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家に帰ってから、宿題をして、予習をして、ママの夕ご飯の支度を手伝っていると、お兄ちゃんが帰ってきた。

「和南お兄ちゃん!おかえりなさい。」
「ゆかり。ただいま。今日はなんだかいつもより元気だね。」

さすがお兄ちゃんは鋭い。学校の生徒会に入って、学校の治安はもちろん、地域の見回り活動までしていていつも帰りは遅いが、いつも優しく心配してくれる。バイトが週に2回なのも、お兄ちゃんがわたしに無理させたくないって、短時間しか許可してくれなかったからだ。でもわたしは不満なんてない。こんな素敵なお兄ちゃんに心配して貰えるなんて幸せだ。

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夕飯のあと、お風呂に入ってると、金城さんからJoinがきた。帰宅報告の返信だ。


わたし「帰宅しました!今日はありがとうございました。これからよろしくお願いします!」

金城さん「おう。またな。」


(またな。だって。ふふ。)

わたしは湯船で嬉しくて、1人で笑ってしまった。

「いけない。お兄ちゃんが待ってるから、もう上がらなきゃ。」

わたしは時計を見て、すぐに湯船に蓋をした。

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